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向井 雅之; 田中 忠夫; 前田 敏克; 小川 弘道; 松本 潤子; 宗像 雅広; Zhao, Y.*; Guo, Z.*; Ni, S.*; Li, S.*
日本原子力学会和文論文誌, 2(3), p.342 - 349, 2003/09
地質媒体中における核種移行の評価は野外試験に基づくデータが十分でない点で特にTRU核種の浅地層中処分における安全評価で重要である。日本原子力研究所と中国輻射防護研究院間の共同研究として、自然条件下でSr-90,Np-237,Pu-238を用いた野外移行試験を行い、実際の通気層における核種移行データを取得した。既存の移行評価式に入力するパラメータの値を、実験室実験及び野外調査により決定した。取得した値を使用して計算した核種移行分布は野外試験の実測データとおおむね一致し、核種移行評価式の適用性が確認できた。
河野 俊彦*; 柴田 恵一
JAERI-Research 2003-001, 36 Pages, 2003/02
,,の分離共鳴パラメータの共分散を評価した。主要アクチニド核種では非常に多くの分離共鳴が観測されているが、原子炉計算では、分離共鳴そのものの誤差よりも、平均断面積の誤差の方が重要である。分離共鳴パラメータの共分散を推定する簡便な手法を開発した。本手法は、平均断面積の誤差に基づいて分離共鳴パラメータの共分散行列を求めるものである。この方法を用いて、JENDL-3.2に格納されている重要なアクチニド核種の分離共鳴パラメータの共分散を求め、その結果をJENDL-3.2共分散ファイルに収納した。
田中 忠夫; 向井 雅之; 前田 敏克; 松本 潤子; 小川 弘道; Li, S.*; Wang, Z.*; Wang, J.*; Guo, Z.*; Zhao, Y.*
JAERI-Research 2002-034, 20 Pages, 2002/12
Sr(II),Np(V),Pu(IV)及び Am(III)の黄土への吸着メカニズムと吸着モデルを吸着脱離実験結果に基づき検討した。Sr及びNpの分配係数はPu及びAmより23桁小さい値であった。分配係数が小さなSr及びNpの黄土への吸着は、主にイオン交換によって支配されていた。一方、黄土に吸着した大部分のPu及びAmは、鉄やマンガンの水酸化物・酸化物や腐植物質との選択的な化学結合によって支配されていた。得られた吸着脱離実験結果に基づき、黄土中における放射性核種の移行を解析する手法を確立するため、吸着の可逆性,反応速度等を考慮した吸着モデルを提案した。
Konobeyev, A. Y.; 深堀 智生; 岩本 修
JAERI-Research 2002-028, 69 Pages, 2002/12
中間エネルギーにおけるウラン同位体UとUの核データ評価の基本的な内容を述べる。チャンネル結合光学モデルを使用し全断面積,反応断面積,散乱断面積の角度分布及び透過係数を求めた。励起原子核からの中性子と荷電粒子放出を直接、前平衡,蒸発モデルを用いて求めた。評価した中性子データは20MeV以下のデータのJENDL-3.3と合わせることにより、10eVから25MeVまでの全エネルギー領域でのデータセットが得られた。陽子データの評価は1から250MeVまで行った。
河野 俊彦*; 柴田 恵一
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(8), p.807 - 815, 2002/08
被引用回数:6 パーセンタイル:39.54(Nuclear Science & Technology)分離共鳴パラメータの共分散を推定する簡易的手法を開発した。主要アクチニド核種では多数の分離共鳴が存在するが、炉物理計算においては共鳴パラメータそれ自身より、それから計算される平均断面積の誤差が重要となる。今回開発した手法では、誤差伝播則により、適切な平均断面積誤差を与えるような分離共鳴パラメータの共分散行列を導出する。この手法を用いて、JENDL-3.2に収納されている,,のReich-Moore型共鳴パラメータの共分散を算出した。
高野 秀機; 秋江 拓志; 金子 邦男*
Proc. of Int. Conf. on the Phys. of Nucl. Sci. and Technol., 1, p.58 - 65, 1998/00
世界の3大核データファイル:JENDL-3.2,JEF-2.2とENDF/B-VIについて、現行軽水炉燃焼ベンチマーク及び軽水炉と高速炉の臨界実験ベンチマークを行い、各ライブラリーの核特性予測精度を評価した。燃焼ベンチマークは、三浜PWRの34GWd/t燃焼時の解析を行った。各ライブラリーとも比較的よい一致を示したが、U-232,Pu-236,Am-243等の生成量に大きな差が見られた。臨界実験ベンチマークでは、U-238非弾性散乱断面積核データ間の相違がkに及ぼす影響が大きく再評価が必要である。また、U-233炉心では、JEF-2.2とENDF/B-VIはkを過小評価した。
岡嶋 成晃; 桜井 健; 向山 武彦
JAERI-Conf 97-005, 00(00), p.71 - 76, 1997/00
実効遅発中性子割合()の予測精度向上を目的とした国際ベンチマーク実験が実施されている。この実験は、MASURCA(フランスCEA-Cadarache)でのベンチマーク実験とFCA(日本 原研-東海)でのベンチマーク実験から成る。1993~1994年に実施されたMASURCAでの実験では、6ヵ国が参加して、組成の異なる2つの炉心でそれぞれの手法で測定を行った。FCAでの実験では、MASURCAでのベンチマーク実験を補完することを目的として、組成の異なる3つの炉心が選定された。FCAでの実験は1995年に開始し、現在も実施中である。一連の実験は、OECD/NEA/NSCでの核データ評価国際協力ワーキングパーティー(WPEC)の課題として受け入れられている。
Z.Pintai*; 高野 秀機
JAERI-Research 96-010, 72 Pages, 1996/03
JENDL-3.2は、JENDL-3.1より高速炉核計算への適用性が良く、それらの主な特徴は次のようである。(1)JENDL-3.2におけるPu-239の核分裂スペクトル、U-238の非弾性散乱断面積の再評価により、Pu炉心の実効増倍率が改善されている。(2)JENDL-3.2による大型ウラン炉心ZPR-6-6Aの実効増倍係数は実験値との一致がよい。これは、JENDL-3.2のU-235共鳴捕獲積分値が、JENDL-3.1より14%小さく評価されたためである。(3)ENDF/B-VIとJENDL-3.2のU-238非弾性散乱断面積の相違は、実効増倍計数に平均して1.4%の大きな影響を及ぼした。これは、両者で分離レベルと連続レベルの評価は極めて大きな相違があるためである。
菊池 康之; 高野 秀機; 中川 庸雄
Transactions of the American Nuclear Society, 73, p.424 - 425, 1995/00
1994年6月に公開したJENDL-3.2は、JENDL-3.1のベンチマーク・テストの結果をフィードバックして大幅に改良された。その主な改良点は、重要なアクチニド核種の共鳴パラメータ、U-235の捕獲断面積、U-233とU-238の非弾性散乱断面積、重要核種の核分裂スペクトル、構造材核種の弾性及び非弾性散乱断面積、ガンマー線のスペクトル等である。これらの改良に伴い、熱中性子炉、高速炉、しゃへい及び核融合ブランケット等についてのベンチマーク計算を実施した。その結果、JENDL-3.1で明らかにされた問題の殆んどがJENDL-3.2では改善された。これらJENDL-3.2における、核データの再評価とベンチマーク・テストの結果を発表する。
中島 健; 赤井 昌紀; 山本 俊弘; 橋本 政男; 須崎 武則
Journal of Nuclear Science and Technology, 31(11), p.1160 - 1170, 1994/11
被引用回数:7 パーセンタイル:56.56(Nuclear Science & Technology)U-235核分裂率に対するU-238捕獲反応率比(C8/F5)を4種類の稠密格子炉心1.42S,1.00S,0.75S及び0.56Sにおいて測定した。炉心は中央部に稠密格子のテスト領域を有し、周りを通常の格子のドライバ領域が囲んでいる。テスト領域の減速材対燃料体積比はそれぞれ1.420,1.000,0.750,0.564である。測定はウラン金属泊をテスト領域中心にある燃料棒内に設置して行われた。また、1.42S炉心と0.56S炉心では、C8とF5の燃料棒内半径方向の相対反応率分布の測定も行った。測定値に対する計算を連続エネルギーモンテカルロコードVIMとJENDL-2ライブラリ及びSRACコードシステムとJENDL-2,JENDL-3ライブラリにより行った。C8/F5の計算値は実験値を過大評価しており、その差は稠密になるとともに大きくなっている。反応率とその分布の計算値を実験値と比較した結果、ウラン238の共鳴捕獲断面積が過大評価されている可能性が示された。
神田 幸則*; 藤川 登*; 河野 俊彦*
JAERI-M 93-205, 52 Pages, 1993/10
Uの非弾性散乱断面積の評価値は、JENDL-3、END F/B-VI、JEF-2、BROND-2、CENDL-2間で相違がある。現状で世界の専門家が共通に納得しうる最良値を求めるための再評価作業が、国際協力で進行中である。本報告書は、既存データファイルの評価値間の相違を比較すると共に、再評価作業のための共通のデータベースを整備するために編集されたものである。
岡嶋 成晃; 大井川 宏之; 向山 武彦
JAERI-M 92-185, 42 Pages, 1992/11
FCAでは、サンプル加熱・反応度測定法と箔加熱・反応率測定法を組み合わせて、2000Cまでのドップラー効果を測定する装置を開発した。これらの測定装置では、耐熱材料として比較的多量のタングステンを使用しているため、実験解析にあたっては、ドップラーサンプルを取り囲む構造材核種および炉心燃料中のUとサンプル中のUとの共鳴干渉効果を評価することが重要である。共鳴干渉効果が顕著なエネルギー領域での実効断面積を得るために、衝突確率法に基づく超微細群構造計算コードPEACO-Xを作成した。また、共鳴干渉効果の詳細解析に必要な超微細群群定数セット(MCROSSライブラリー)をJENDL-3からTIMS-1及びPROF GROUCH-Gを用いて作成した。PEACO-Xでは、超微細群構造(0.25~4.010)で非均質セル内の中性子束を計算することができる。中性子スペクトルの計算方法はRABBLEの方法と同様である。PEACO-Xは、均質体系および球、円筒、平板、四角格子、六角格子体系の計算ができ、20核種、25組成、50領域まで取り扱うことができる。
大井川 宏之; 岡嶋 成晃; 向山 武彦; 佐藤 邦雄
JAERI-M 92-113, 36 Pages, 1992/08
金属燃料高速炉を模擬したFCAXVI-1及びXVI-2炉心において、天然ウランサンプルのドップラー反応度価値をサンプル加熱法により測定した。金属燃料高速炉特有の硬い中性子スペクトル場においては、JFS-3-J2を用いたこれまでと同じ計算は、40.9keV以上の高エネルギー領域のドップラー効果を考慮できないため過小評価を招くことが判った。Uの共鳴領域を149keVまで考慮しているENDF/B-VIを用いて計算値にこのエネルギー領域の寄与分の補正を加えたところ、金属サンプルで13%、酸化物サンプルで8%程度ドップラー反応度価値の計算値は大きくなり、金属燃料炉心の解析のためにはJFS-3-J2でも40.9keV以上のエネルギー領域での共鳴を取り込む必要があると考えられる。補正後のC/E値は0.6~1.0の間に広く分布しており、実験誤差を考慮しても依然として計算は実験よりも小さなドップラー反応度価値を与える。
馬場 護*; 若林 秀隆*; 伊藤 伸夫*; 前田 一人*; 平川 直弘*
JAERI-M 89-143, 55 Pages, 1989/10
本報告は、U、Thの核分裂中性子スペクトルと非弾性散乱二重微分断面積に関する実験的研究の成果をまとめたものである。実験は、東北大学工学部の高速中性子実験室に於て、ダイナミトロン型加速器を中性子源とするパルス中性子飛行時間法により行い、両核種について、1)2MeV中性子に対する核分裂即発中性子スペクトル、2)1.2M 2.0、4.2、6.1、14.1MeV中性子に対する非弾性散乱中性子二重微分断面積のデータを得た。実験手法、データ解析両面において系統誤差を排除し、実験精度を高めるよう留意した。実験結果を、過去の実験値、評価値、および計算値と比較検討し、過去の実験値や評価値についていくつかの問題点があきらかになった。これらの新たなデータと知見は今後の核データ整備に有用な情報を提供するものと考えられる。
土橋 敬一郎; 石黒 幸雄; 金子 邦男*
Journal of Nuclear Science and Technology, 22(1), p.16 - 27, 1985/00
被引用回数:11 パーセンタイル:78.56(Nuclear Science & Technology)高温ガス炉の燃料ブロックにみられるような二重非均性のある体系における共鳴積分を評価するために空間分割を一元的に指定することによる直接的衝突確率法が開発された。ここではある巨視的な領域のなかのある微視的な領域は多領域格子のなかの一領域にように扱われる。衝突確率行列のうちの巨視的領域に対応する要素は微視的領域に対する衝突比により分割される。衝突比を決定する吸収体の遮蔽因子に対する幾つかのモデルが提案された。共鳴積分はE130.7eVのエネルギー範囲で、得られた衝突確率を用いて減速方程式を解くことにより計算される。すべてのモデルが実用上殆ど同じ結果を与えることが示された。金でできた粒子の粒子構造による共鳴積分の遮蔽効果を求めた実験値との満足できる一致が得られた。
岡嶋 成晃; 向山 武彦
JAERI-M 84-086, 29 Pages, 1984/05
FCA X-3(常陽MarkII模擬炉心)およびXI-1集合体(大型商用炉模擬炉心)において、U-238および炉心構造材(鉄、不銹鋼、ニッケル)の各サンプルについてドップラー反応度価値を測定した。実験にはサンプル・オシレーション法を用いて、室温から550Cおよび800Cまでサンプルを加熱した時のサンプルの反応度価値変化を測定実験値と比較した。U-238サンプルについては、計算は約10%過小評価するが、他のサンプルについては計算値と実験値は非常に良い一致を示した。
五十嵐 信一; 菊池 康之; 中川 庸雄
日本原子力学会誌, 20(1), p.30 - 36, 1978/01
被引用回数:0我が国独自の評価ずみ核データライブラリー(JENDL)の第1版JENDL-1の公開に伴い、その利用の便を図ることも兼ねてJENDL-1の概要を記した。これは日本原子学会からの依頼により、同学会誌の資料欄に寄稿する。JENDL-1の内容は表にまとめ、核データの評価とJENDL-1編集の過程はNa,Fe,U-235,U-238,Pu-239を例にとって説明した。核データの評価に現れる諸問題にも触れたが、利用者の利用経験をJENDL-2以降に反映させる重量さも述べた。積分実験によるベンチマークテストがJENDL-1の信頼性を示し、十分使用可能であることを説いた。
関 泰; D.W.Muir*; 前川 洋
Journal of Nuclear Science and Technology, 14(9), p.680 - 681, 1977/09
被引用回数:10黒鉛反射体付リチウム球体系において、体系を構成する元素の断面積の変化に対するU-235とU-238の核分裂率の変化を計算した。U-235の核分裂率はリチウム領域中においてはLi-6の断面積に最も強く依存し、黒鉛反射体中においてはC-12の断面積に強く依存することが判った。他方U-238の核分裂率はリチウムや黒鉛の断面積に対するよりも、ステンレス鋼構造材を構成する元素の断面積に対してより高い感度を有することがわかった。実験値との比較から、ENDF/B-IVに収納されたC-12の核データ、特にその2次中性子に関する核データの再評価が提案された。
梅澤 弘一; 鈴木 敏夫; 市川 進一
Journal of Nuclear Science and Technology, 13(6), p.327 - 332, 1976/06
被引用回数:17種々同位体組成のプルトニウム試料(20-39g)を、高分解能Ge(Li)検出器で測定した。計数したのは、Puの43.5kev、Puの38.7keV、51.6および129.3keV、Puの45.2keV、ならびにPuの148.6keVの各線である。これらの線の相対的な光電ピーク効率をきめるために、Puの3本の線を内部標準に用いて、経験的な効率曲線をつくった。プルトニウム試料中に自発蓄積するUとmの放射能に対する補正法とともに、データ処理について詳述する。また、線スペクトロメトリの結果と質量分析データとを比較して、プルトニウムの各線の分岐比の値をもとめた。
高野 秀機; 長谷川 明; 桂木 学
第1回トピカルミーティング報文集; 高速炉物理, p.68 - 76, 1973/00
最近の核データの不確かさが積分データに及ぼす影響がU-238,U-235,Pu-239の3つの主要核種について考察され、その効果は極めて大きいことが確かめられた。又U-238,U-235,Pu-239の分裂と捕獲断面積を1.0keVから10.5MeVまで一様に変動させて各断面積の積分データに及ぼす効果が詳しく調べられ、それらの結果を考慮して、JAERI-Fast Setの群定数修正の第1段階として主要3核種の断面積の修正を最小自乗法を用いて行った。その結果実効増倍率の濃縮比に対する勾配を解消し、一応核データの不確かさ内で妥当と思われる値を見い出すことができた。
東稔 達三
Journal of Nuclear Science and Technology, 5(4), p.195 - 196, 1968/00
被引用回数:1抄録なし